ゴキブログ

ゴキブログ一覧

2007 .9.19

沖縄ゴキブリ採集 その2

カテゴリー:ゴキブリ採集,

沖縄で採集したゴキブリ達である.
フタテンコバネゴキブリ(と思われる)幼虫.
%E3%83%95%E3%82%BF%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%8D.jpg
写真中央に1匹写っているがおわかり頂けるだろうか.
採集しているとき,一見クロゴキブリ1齢幼虫に見えたが,よく見ると全然違う.
○座○トイレ壁面に付着していた卵鞘.
%E4%B8%87%E5%BA%A7%E6%AF%9B%E5%8D%B5%E9%9E%98.jpg
はたして孵化してくれるだろうか?
ゴキブリやカマキリの卵(卵鞘)は1個発見すればそれだけで数ペア確保できる効率の良い昆虫です.皆さんも探してみてはいかがでしょう.

詳細はこちら

2007 .9.18

沖縄ゴキブリ採集 その1

カテゴリー:ゴキブリ採集,

先週沖縄に所用の為行ってきた.
沖縄と言えば日本産ゴキブリの約半数近くが生息するあこがれの地.
行く前から夢は広がるが実際採取出来る時間が余り無い.盛口満著「わっ、ゴキブリだ!」によるところの最新情報では,沖縄には26種生息しているらしい.
本を読みながらポイントのイメージを作り,地図と合わせて時間を有効に使う様に行程を組んだ.
結果は?
2日のうち1日は全日大雨,しかし,2日目は天気予報では雨だったのだが何とか晴れ.
総採集時間1時間.
捕獲実績
1.フタテンコバネゴキブリ幼虫(初めて見たので確信はないが) 
2.ヒメチャバネゴキブリ幼虫(オキナワチャバネではないと思うが)
3.リュウキュウモリゴキブリ♀成虫 2頭
4.オガサワラゴキブリ 1頭(沖縄産は以前とったので写真のみ)
5.クロゴキブリ幼虫と思う(未同定)
6.ウスヒラタゴキブリと期待する卵鞘 1ヶ
さすが沖縄,1時間でこんなに捕れる.関東では絶対無理な種数である.
採集した環境は下の様な場所です.
%E6%8E%A1%E9%9B%86%E5%9C%B0%E5%A4%96%E8%A6%8B.jpg
もっと近寄ると
%E6%8E%A1%E9%9B%86%E5%9C%B0.jpg
クロゴキ幼虫はスーパーの駐車場内.
ウスヒラタらしい卵鞘は有名な景勝地○座○のトイレ壁面に付着していた.孵化するか・・・.
楽しみである.

詳細はこちら

2007 .9.14

クロゴキブリの駆除

カテゴリー:クロゴキブリ,

クロゴキブリの駆除に関しては,前回ご説明した様に,発生(生息)環境がまちまちな為,こうすれば良いと言う決まった方法はない.
自分の所の発生(生息)環境を調べ,生息している箇所を無くしながら生息数を減らすようにする.
生息箇所を無くす方法の例として,家のまわりの整理整頓,餌になりやすい物を置かない様にする等を行い,必要があれば殺虫剤の使用も検討する.
%E3%82%8D%E3%83%BC%E3%81%A1%E3%81%A8%E5%90%84%E7%A8%AE%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC.jpg
生息数を減らす方法は,ゴキブリトラップが様々な種類が出ているので,誘引剤付きを選び,出没する箇所に多めに設置する.トラップを使った捕獲法は,チャバネゴキブリの様に何千,何万と生息する種は根絶までトラップで捕獲するのは不可能だが,クロゴキブリの様に,侵入初期の頃は早々増えないので,ローチトラップでも根絶は可能と思う.
その他,ホウ酸団子や各種ゴキブリ毒餌等も真面目に設置すれば効果はある.
見なくなってきたからと言って,止めるのではなくしばらく継続して行うと良い結果が出る.

詳細はこちら

2007 .9.13

クロゴキブリ生息場所

カテゴリー:クロゴキブリ,

本種が生息している環境は,屋外では共用ゴミ置き場周辺のコンクリート割れ目,建物周りに放棄してある粗大ゴミ,残材の隙間や内部などが多く,他にも庭木等樹木の樹皮下など昼間暗く,じめっとしている場所である.
本種を街中で目視による探索をしていると,間違いなく怪しまれる為,ビンの内側にバター等を塗ってクッキーなどを入れておくと,ポイントが良ければ翌日捕れる.
%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%81%A8%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97.jpg
自動販売機が置かれている近辺も缶用ゴミ箱と自販機の熱で意外と捕れる.
%E8%87%AA%E8%B2%A9%E6%A9%9F%EF%BC%92.jpg
建築物内での主な生息場所は,マンションの場合一番多いのがゴミ置き場,ベランダに置いてある様々な荷物(特に植木鉢の裏等)のかげ,ベランダの雨水を流す配水管内部,建物外周の植え込み内部等々結構近くに潜んでいる.
一般住宅の場合は,床下から繋がっている箇所(台所・洗面所排水周り,押入,壁内に潜んでいると鴨居など)に潜み室内に飛び出して来る.

詳細はこちら

2007 .9.12

クロゴキブリ飼育方法

カテゴリー:ゴキブリの飼育方法,

本種の飼育もゴキブリの中では簡単である.しかし,ワモンゴキブリなどの休眠しない熱帯産は1年もしないうちに色々なステージが一ケージ内に混生する様になるが,本種は加温して飼育しても休眠による成長が滞る時期があり,長く室内で飼育していると全ステージが揃うそうだが,私の手元にいる個体群は,春先は成虫がいなくなる.滅びるわけではないため,良いのだが,一年を通して成虫をストックする事はまだ難しい.
しかし,クロゴキブリ飼育の良いところは,言い換えればワモン・コワモン・トビイロ・イエ(スズキはまだ飼育した事がない)などの熱帯性のゴキブリに比べ成長に時間がかかる為,ゴキブリ飼育にはつきものの淘汰をする回数が少ない点である.
%E3%82%AF%E3%83%AD%E9%A3%BC%E8%82%B2.jpg
シェルターは成虫が入れる為,幅10㎜以上あった方がよい.
床替えは3,4ヶ月に1回やれば十分である.

詳細はこちら

2007 .9.11

クロゴキブリ幼虫

カテゴリー:クロゴキブリ,

ゴキブリの問い合わせで多いのは,「茶色のゴキブリがいるが何の種か?」である.飲食店厨房内にいる茶色いゴキブリはチャバネゴキブリが多い.一方,住宅内にいる茶色いゴキブリはクロゴキブリ幼虫の事が多い.しかし,たまに住宅内でもチャバネゴキブリが生息していることもあるため,その情報だけではハッキリと判断できない.
下がクロゴキブリ幼虫である.
kuroro-1.jpg
チャバネである.
%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%90%E3%83%8D%E3%82%B4%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%AA%E3%80%80Blattella-germanica%E3%80%80%28Linne%29%E3%80%80%EF%BC%91.jpg
周りにいるゴキブリの同定をしてみてはどうだろうか.

詳細はこちら

2007 .9.10

クロゴキブリ雌雄

カテゴリー:クロゴキブリ,

%E3%82%AF%E3%83%AD%E8%83%8C%E9%9D%A2.jpg
左が♀,右が♂.
背面から見た雌の特徴として,全体的に大きく腹端部が前翅端を越えて露出して見える.♂は翅端の内側で終わる.ゴキブリの世界も雄より雌の方が貫禄がある.
前胸背板は幅広く大きい.
ワモンゴキブリ同様腹面より見ると分かり易い.
%E3%82%AF%E3%83%AD%E8%85%B9%E9%9D%A2.jpg
左が♀,右が♂
生命を宿している立派な腹部である.

詳細はこちら

2007 .9.7

クロゴキブリに似ているゴキブリ

カテゴリー:クロゴキブリ,

この写真はPeriplaneta属♂成虫似たもの3兄弟である.わかるだろうか?
%E9%BB%92%E7%B3%BB%EF%BC%93%E5%85%84%E5%BC%9F.jpg
左からクロゴキブリ,ウルシゴキブリ,ヤマトゴキブリである.
こうしてみると,ヤマトゴキブリよりウルシゴキブリの方がクロゴキブリに似ているのがわかる.
しかし,上記3種が混生している地域は確認されていなく,混生している確率はクロとヤマトの組み合わせが殆どと思われる.従って見間違える可能性があるのは,クロとヤマトが一番事例としては多い.
簡単に違いを述べると,色つやはクロゴキブリの方が茶が強く,脂ぎっており,ウルシゴキブリは漆黒色をしている.ヤマトゴキブリはちょうどその中間と言ったところ.
前胸背板は,ウルシゴキブリが最も大きく形もずんぐりして真っ黒である.クロゴキブリも大きく幅があり,ヤマトゴキブリは小さくゴツゴツした表面とを持っている.

詳細はこちら

2007 .9.6

クロゴキブリは黒い?

カテゴリー:クロゴキブリ,

クロゴキブリは黒いイメージがあるが幼虫は茶色で,成虫も前胸背は黒に見えるが,翅は茶色である.
%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%81%E3%83%A3.jpg
英名を Smoky-brown cockroach とする事から,外国の人から見ると黒には見えないのであろう.しかし,1齢幼虫は黒色に白いバンドが入る事から,間違っているとも言えないが,一般の人が1齢幼虫を見てクロゴキブリとわかる人は,あまりいないと思われる.
%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B4%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%AA%E3%80%80Periplneta-fuliginosa-Serville%29%E5%B9%BC%E8%99%AB%EF%BC%92.jpg
さらに,幼虫を見ても「クロゴキブリの幼虫だ」と判断できる人も余りいないと思われる.
私のところにも,異物混入の昆虫が同定として送られてくるが,ゴキブリなどは幼虫でもパーツでも結構何なのかわかるのだが,それが鱗翅目などの幼虫であった場合,時間ばかりかかって,種までたどり着けない事が多々ある.

詳細はこちら

2007 .9.5

秋のクロゴキブリPeriplaneta fuliginosa(Serville)

カテゴリー:クロゴキブリ,

夏も終わりが近くなり,アブラゼミの鳴き声もどことなく弱々しく聞こえるちょうど今頃.都会では一つの害虫が目に付く様になる.
クロゴキブリ成虫である.
毎年夏の猛暑から朝晩が過ごしやすくなる時季,毎朝の通勤途中路上でやたらと本種の死骸を見る様になる.
%E3%82%AF%E3%83%AD.jpg
この写真も会社近くで今日見つけた物である.ちなみに♂であった.
クロゴキブリの屋外での越冬は,成虫で行われる事は少なく,冬を迎える前の寿命の尽きた成虫がこの頃より死に始めると考えられる.
%E3%82%AF%E3%83%AD-2.jpg
この写真はクロゴキブリが繁殖している室内の巣になっている箇所内部である.
老齢幼虫と成虫(卵鞘付き)が確認できる.

詳細はこちら

2007 .9.4

私のベストセラー

カテゴリー:参考書,

少し前に発売になった本である.カバーには
“寄生虫に恋してしまったドクター世界を往く” とある.
%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96.jpg
内容は,寄生虫を求めて地の果てまで取りに行く,寄生虫を愛するが故の仰天話.
また,寄生虫がまん延する地域での研究秘話等,読み出したら最後まで一気に読める.
あまり好かれない生き物を愛する者同士,非常に感動した本である.
是非,皆さんにも読んでいただきたい.
貴方の知らない世界がここにあります.
書籍名 : パラサイト・ラブ
著者  : 内田明彦
出版社 : メディカグローブ

詳細はこちら

2007 .8.31

今年も出会えたニホンアマガエルHyla japonica(Günther,1859)

カテゴリー:両生類,

毎年,夜一杯やった後,木曽川沿いの足湯に出かけるのだが,去年夏来たとき,外灯のかんばん裏にカゲロウなどの飛来昆虫を目当てにアマガエルが来ているのを見つけた.街中で見かけるのは珍しいので良く覚えていたのだが,今年もいるかと思い覗いてみると,なんと同じ場所にいるではないか.
%E9%9B%A8%E8%9B%99.jpg
はたして去年と同じ個体なのかはわからないが,妙に再会が嬉しく写真に納めた.
感動の再会である.
来年もまた会える事を期待する.

詳細はこちら

2007 .8.30

信州で出会った昆虫 3

カテゴリー:虫,

木曽川沿いの外灯に良く来ている虫.
この虫,動きが非常に素早く,走ると当時に飛び回る様な行動をする,嫌われどころがクロゴキブリに近い昆虫である.
%E3%83%88%E3%83%93%E3%82%B1%E3%83%A9%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%A8%AE.jpg
子供の頃はガの一種と思っていたが,大人になって同定をしたら,実はトビケラの一種とわかった.
これが,屋外の外灯には沢山来ている.家の中にも結構普通に入ってきている.
東京であれば間違いなく不快害虫として大騒ぎになるところだが,自然と親しんでいる人たちは,このぐらいでは騒ぎもしない.

詳細はこちら

2007 .8.29

信州で出会った昆虫 2

カテゴリー:虫,

岡谷の遊園地内で見つけた.ザトウムシだと思う.日陰の柱に付いていた.
%E3%82%B6%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%82%B7.jpg
拡大してみると,その体はエイリアンの様で興味をそそられる.近年,外国よりヒヨケムシだのウデムシなどが輸入されているが,国産の本種の様な生き物も魅力いっぱいである.卵は?幼生の形態は,餌を食べる瞬間は?はまりそうなのでそっとしておいた.
時間があれば生態を観察したいと思う.

詳細はこちら

2007 .8.28

信州で出会った昆虫

カテゴリー:虫,

昨日,長野に行ってきた.最近は昼間の昆虫はいれば捕るが,興味は夜の昆虫になってしまった.(変な意味はない)しかし,夜中にいい大人がごそごそと人の家の壁際を探していると非常に怪しまれるし,ゴキブリを追っかけていると体裁が悪い.しかし,今回はヤマトゴキブリ成虫♂が1匹取れた.これは嬉しかった.雌ならもっと良かったのだが,その付近では見つける事が出来なかった.
子供の頃,学校のイチョウの木に大発生していたクスサン若齢幼虫をマッチ箱に入れて,ペットにしていた.そのクスサン成虫とも何年かぶりの対面が出来た.と思い家に帰り同定したらヤママユガのようだ.しかし,『ガ』とはいえ綺麗なものは綺麗である.
%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B5%E3%83%B3.jpg

詳細はこちら

2007 .8.27

ワモンゴキブリ 駆除

カテゴリー:ワモンゴキブリ,

本種が主に生息している環境は,小笠原では屋外や民家内に普通に見られるが,都市部であればビルの様なコンクリート建築物の地下部分.
さらに限定すると,排水升の暗渠や湧水槽,雨水層等のマンホール内亀裂内部や壁面に多い.以前九州のある地下メンテ用通路内に壁面にびっしり付いていたのはさすがにぞっとした.
%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB.jpg
いわば,人が入って行きにくい場所に隠れて生息している.
チャバネゴキブリの様に食事中に出てくればムキになって駆除しようとするだろうが,どちらかというとビルの暗部にひっそりと生息している為,誰も本気でお金をかけてまで駆除する必要性を感じていないと思われる.その為住家を見つけると大量にいるのでびっくりして殺虫剤を散布するのだが,また簡単に死ぬので,それで満足してまたしっばらく放っておくと大発生をしているのを発見してびっくりする.この繰り返しである.
駆除したければ,計画を立て,防除の効果判定を行い,しっかりと指数管理をすれば,コントロールは可能と思う.

詳細はこちら

2007 .8.24

ワモンゴキブリ 飼育方法

カテゴリー:ゴキブリの飼育方法,

以前も少し紹介したが本種は昆虫の中でも大きさがあり,飼育も簡単である為,世界中で研究用として飼育されている.従って様々な飼育方法があると思うが,その一例として当社で行っている方法をご紹介する.
餌,水,シェルターは以前ご紹介した通りである.
特別な事として,シェルターは幅が広くないと,成虫が入れない.
餌を大量に食べるのでこまめに補給する.しかし,1週間ぐらいは無くなっても問題ない様である.
%E9%A3%BC%E8%82%B2.jpg
チャバネゴキブリの様に一生が短くない為,死骸が溜まらない.
よって床替えは3,4ヶ月に1回やれば十分である.

詳細はこちら

2007 .8.23

ワモンゴキブリ卵鞘

カテゴリー:ワモンゴキブリ,

ワモンゴキブリはどの様に卵鞘を保持しているか,観察してみた.
%E5%8D%B5%E9%9E%98%E4%BB%98%E3%81%8D.jpg
全体の2/3程を体外に突出させ残りの1/3を肛上板と肛下板でしっかりと挟み込んでいる.産下される前の卵鞘のなんと美しい事.卵鞘の外皮を通して中の卵の配置がわかるだろうか?
%E5%8D%B5-1.jpg
産下された卵鞘.シェルターに隠す様に産み付けられた状態.
この様な状態で産み付けられた卵鞘は孵化するが,次の写真の様にただ産み落とされた卵鞘は,食べられている事が多い.
%E5%8D%B5-3.jpg
イエゴキブリの時は,この様に産下されたものは,一つも孵化しなかった.

詳細はこちら

2007 .8.22

ワモンゴキブリ 幼虫

カテゴリー:ワモンゴキブリ,

屋外種を採集してくると,時季にもよるが幼虫である事が多い.衛生害虫扱いされている種であれば,幼虫や卵鞘からでも種はわかるが,完全な屋外種となると成虫にしてみないとよく分からない種が多い.
ワモンゴキブリは,幼虫の形態は判明しているが,慣れないと何の種jかわかり難い.
%E5%88%9D%E9%BD%A2%E5%B9%BC%E8%99%AB.jpg
初齢幼虫
%E7%B5%82%E9%BD%A2.jpg
終齢幼虫

詳細はこちら

2007 .8.21

ワモンゴキブリ 雌雄

カテゴリー:ワモンゴキブリ,

ワモンゴキブリは雌雄がある(雌のみで繁殖をし雄が見つかっていない種もあるが).害虫として駆除される場合は,そんな事は全く関係ないかもしてないが,見分けは出来た方が気持ちよいのではないかと思い並べてみた.
%E3%83%AF%E3%83%A2%E3%83%B3%E8%A1%A8.jpg
左が♀,右が♂
背面から見た雌の特徴として,腹部が雄より太い,雄と比較すると前胸背板が広く,前翅が腹端を少し越える程度の長さである事がわかる.
もう少し,正確に見分けるには,腹部から見る事である.
%E3%83%AF%E3%83%A2%E3%83%B3%E8%A3%8F.jpg
左が♀,右が♂
殆どのゴキブリが腹部の見かけ上の腹節の数が雄と比較して,少ない方が雌となる.
こうしてみると,ワモンゴキブリもきれいに感じるが,生きている個体を捕まえようとすると,臭い分泌物を腹端部から出すのであまりハンドリングしたい種ではない.

詳細はこちら

2007 .8.20

世界のワモンゴキブリ

カテゴリー:ワモンゴキブリ,

朝比奈正二郎著『日本産ゴキブリ類』の各論のトップに記されているゴキブリ.
本種はゴキブリ科 ゴキブリ属 ワモンゴキブリ となる.
%EF%BC%91%E5%8C%B9.jpg
Periplneta americana (Linne)
全世界の熱帯域に分布し,以前エジプトに行った人より,ゴキブリ好きな私にとエジプトのゴキブリをあしらったブローチ??を頂いたのだが,中に入っていた種はワモンゴキブリだったのには驚いた.あんなものをおみやげにして,買う人は殆どいないと思うのだが,ちょっと探したが出てこないので,見つかったらお見せしたいと思う.
国内の分布は沖縄・小笠原では屋外にも普通に見られ,本州都市部の地下に生息分布を広げている.
東京でも地下街にはわりと普通種となりつつあり,アメ横などは夏の夜間路上を徘徊している個体をよく見る.
近年のトピックスとしては,ヒューストンミュージアムで以下のような案内を出した.
“Cash for Cockroaches
Healthy, live American Cockroaches needed for new Insect Wing.“
直訳すると,「new Insect Wingにて,生きのいいワモンゴキブリが必要となったので購入します.」のような内容.本文には25¢/1匹(1000匹締め切り)とあった.
はたして集まったのか興味はあるが,ちょっと大きなケージで飼育していればすぐに1000匹ぐらいには増えると思うのだが.
%EF%BC%92%E5%8C%B9.jpg
本種成虫は前胸背板の『ワモン』に様々なタイプがあり,典型的な紋が出るものから,トビイロゴキブリのように紋が消えかけるものまである.

詳細はこちら

2007 .8.17

ネコノミ Ctenocephalides felis BOUCHE

カテゴリー:虫,

昨日,ノミの調査に行った.我々が行った日は残念ながらノミは死骸しか見つからなかったが,ネコノミであった.原因は天井に侵入した中型哺乳動物.糞の状態からしてハクビシンではないかと考えられたが,宿主を確認していないので断定は出来ない.
近年,ヒトノミやイヌノミは絶滅に瀕しているらしく,私も一度も見た事がなければ,話すら聞いた事がない.犬にネコノミが寄生しているのは今や普通らしい.(A大学,U教授)よってタヌキやハクビシンもネコノミの被害にあっていると思われる.
nekonomi.jpg
ノミ類は完全変態の昆虫で,幼虫はウジの形をしており,室内のゴミ類を餌として成長し,蛹になり脱皮してやっと吸血する成虫となる.
従って,吸血されないようにするには,寄主である野生動物を身の回りから遠ざけ,またはきれいに洗い,幼虫の生息している寝床を掃除しなければ,幼虫から成虫へと成長を遂げたノミが吸血に向かってくる.

詳細はこちら

2007 .8.16

脱皮殻を食べる 2

カテゴリー:多足,

共食いをして,さらに脱皮殻を食べる節足動物は他に何がいるのだろう.
私が飼育している中ではムカデぐらいか.
カマキリは脱皮殻を食べるのであろうか?真面目に飼育した事がないが余り見た事がないような気がする.爬虫類の餌にしているコオロギは共食いはするが,脱皮殻を食べるか?これも余り見た事がない.
RIMG0007.jpg
そこでムカデの脱皮.こうゆう瞬間を見るとどんな生き物でも,命がけで生きているとつくづく思う.

詳細はこちら

2007 .8.15

脱皮殻を食べる

カテゴリー:ゴキブリ,

脱皮は昆虫にとって生死をかけた一大イベントである.その為クワガタなどの甲虫類・ガ類等は,蛹になる際,繭状の安全地帯を作り,その中で蛹化,そして成虫になる.
しかし,今盛りの蝉やトンボなどは普段潜んでいる安全な泥中や土中より危険が一杯の地上で成虫へと変化を遂げる.それ故その時間帯は外敵が活発に行動していない明け方であったり夕方であったりするのではないかと思う.
ゴキブリはどうか?一般的にゴキブリは集団で生活をおこなう昆虫である.生息密度が低くなると成長が遅くなる生き物である.その為,脱皮も皆が周りにいる状況で行われる.時間帯もいつ見ても白いゴキブリがいるので,特に決まった時間はないと思われる(きちんと調べて報告したい).この時生息環境に十分な栄養と餌が足りないと,脱皮の瞬間をつき仲間に食べられる.共食いである.
ムカデやクモ類はまとめて飼育していると頻繁に行っているが,昆虫で共食いをする種を思い浮かべても余り思い出せない.私が飼育した昆虫ではカマキリ類とサシガメぐらいか.
と言うわけで,話が分からなくなってしまったが,大方の昆虫は脱皮殻など食べないような気がするがどうであろう.そんな中ゴキブリは結構食べている.
%EF%BC%91%EF%BC%99%EF%BC%9A%EF%BC%92%EF%BC%92.jpg
チャバネゴキブリは腹部と脚を残して後は食べてしまう.
%EF%BC%91%EF%BC%99%EF%BC%9A%EF%BC%93%EF%BC%91.jpg
トルキスタンゴキブリも同時期に脱皮したが同じ様な部位を食べ残している.

詳細はこちら

2007 .8.14

チャバネゴキブリ脱皮

カテゴリー:チャバネゴキブリ,

Periplaneta属は大型の由縁か脱皮に結構な時間が要していたが,一番身近なチャバネゴキブリはどうであろうか?小型ゆえに結構早いと思われる.
そこで,脱皮直前の終齢幼虫を別様器にとりわけ,観察した.
%E8%84%B1%E7%9A%AE%E9%80%A3%E7%B6%9A%E7%B8%AE%E5%B0%8F.jpg
完全に脱ぎ捨てるまでに要した時間は約18分.(写真左上から左下まで)
次に向きを変え翅が完全に伸びきるまで約13分(写真下左から2番目まで)
右下の様に翅がきれいにたたまれ,色づくまで約2時間(右下写真まで)
全てに要した時間は約3時間,コワモンゴキブリの半分以下となった.
小型の為予想していた通り早い脱皮となった.
脱皮が始まり完全に古い骨格を脱ぎ捨てるまでの間がやはり無防備であろう.
この時間だけ比較すると,
コワモン30分.
チャバネ18分.
トータルの時間から比較すると,コワモンもかなり頑張っているようである.

詳細はこちら

2007 .8.13

オレンジヘッド 幼虫

カテゴリー:Eublaberus prosticus,

先日紹介したEublaberus属の2種の幼虫を紹介する.成虫も似ているようで似ていない.しかるに幼虫はどうか,やはり似ているようで全然似ていない.distantiの方が艶が濃く,前・中・後胸背にハッキリとした黄色のスポットが入る.幅に関しては同じ齢でも初期と後期で形態が変わる為,比較の対象にしない方が良いと思う.
Eublaberus-distanti-1.jpg
こちらがprosticus.
Eublaberus-prosticus-2.jpg
よく見るとdistantiと同じ位置に,前・中・後胸背に黄色のスポットが入るが,非常に薄く,よく観察しないと分からないと思う.
しかし,両種とも幼虫は人の手を恐れないようで,ケージに手を入れておくと袖の中まで登ってくる.
両種とも卵胎生で,現在prosticusどんどん子供が生まれている.

詳細はこちら

2007 .8.10

オレンジヘッド

カテゴリー:Eublaberus prosticus,

現在日本国内に流通している『オレンジヘッド』は以下の2種のようである.
・Eublaberus prosticus Erichson 写真左
・Eublaberus distantii (Kirby)   写真右
%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%EF%BC%92%E7%A8%AE.jpg
両種とも前胸背板には人の顔のような模様が浮き出る為,ユウレイゴキブリとも呼ばれているようである.
Distantiiの方がprosticusより大きくなり,全体的な色合いも淡い色彩である.
顔のおもしろさから行くとprosticusの方が優っている.
%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%87%E3%82%A3.jpg
Distantiihaは現在幼虫しかいない為,標本で勘弁して下さい.
%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E5%A4%89%E3%81%AA%E9%A1%94.jpg
見ていて飽きない.
前胸背に顔が出るゴキブリは他にもArchimandrita属やBlaberus属が有名である.

詳細はこちら

2007 .8.9

なぜムカデがでるのか?

カテゴリー:多足,

普段の餌はコオロギの終齢をあげているが,たまにメニューを変えてゴキブリを与えている.今回はクロゴキブリ中齢幼虫を与えた.いつも与えるコオロギの2倍はある.
%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B4%E3%82%AD%E9%A3%9F%E4%BA%8B.jpg
ムカデやゲジは肉食性である.特にムカデは大きな顎で噛みつく為問題になっているが,家の中のクロゴキブリを食べているのです.いわば益虫の面も持っている.全国農村教育協会発行の『野外の毒虫と不快な虫』には床下に多く生息しているカマドウマを食べているアオズムカデの写真がある.
ムカデが室内に侵入してくる箇所は,殆どが床下から来ると考えられる.マンションの場合は床下と繋がっている箇所は殆ど無い為,その箇所を見つけられれば,侵入対策出来ると思う.しかし,一戸建ての場合は外部と繋がっている箇所は無数にある為,侵入箇所を塞ぐのは不可能である.従って駆除は非常に困難な事が考えられる.
床下や室内の餌になる昆虫を減らす.建物外周の整理整頓を行い,潜み場所を無くす.等を実行しながら出るものはその都度対処した方がよい.
長目のピンセットを用意しておき,つまんで適正に処理する.
%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88.jpg
一番下が普通のピンセット(ダニうかし兼用)
上の2本が野外採取や,日常ムカデを扱うピンセット.
竹製や木製の方がムカデの体には傷が付きにくそうだが,そんなものを使うとムカデの歩肢が滑らない為,ピンセットから外す事が出来ず,ピンセットを登ってきて噛まれる.ムカデには使わない方がよい.

詳細はこちら

2007 .8.8

オオムカデに付くダニ

カテゴリー:多足,

私を噛んだムカデである.父島産.
%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%82%AB%E3%83%87%E5%85%A8%E8%BA%AB.jpg
野外から採集してきたばかりの個体は,特にダニが目立つ事はないのだが,飼育していると体表にダニが目立って付着する.これを取るのに巷で噂されているアイテムや,甲虫用のダニ取り剤を各種使ったが駄目であった.従って現在ピンセットでつついてダニをうかせ,すかさず粘着綿棒ですくい取るのだが唯一の方法となっている.
なぜこんなにも吸着力が強いのか?
%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%83%A0%E3%82%AB%E3%83%87%E3%83%80%E3%83%8B.jpg
拡大してみると腹面に吸盤らしきものが確認できた.食いついて取れ難いのではなく,コバンザメのようにくっつく構造になっているようだ.

詳細はこちら

2007 .8.7

オオムカデ刺咬

カテゴリー:多足,

我々の仕事は害虫の駆除であるが,研究の為飼育していると,やはり愛情が湧いてくる.このオオムカデも15㎝ほどに成長し,ぷりぷりに太ってきている.そろそろ交尾をさせたいと考えているが,♂♀よく分からない.
オオムカデ類の餌の取り方は大きく分けて2通りあると思う.
一つは目の前を獲物が通過したとき,頭部に近い歩肢(足)と大顎(顎肢)で素早く補足し,毒を打ち込む方法.
二つ目は,ムカデは警戒すると,最後尾の歩肢対を持ち上げて移動する.これに触れると瞬く間にこれに捕捉され,頭部が尾部を軸に反転してきて『ガブ!』とやられる.
%E5%99%9B%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%9B%B4%E5%BE%8C.jpg
頭部に気をとられているとこの様になる.噛まれた直後.
結構痛い.しかし,オオトビサシガメに刺されたときの方が強烈に痛かったと思う.
約2週間後.
%E3%83%A0%E3%82%AB%E3%83%87%E5%88%BA%E5%92%AC.jpg

詳細はこちら