ワモンゴキブリ飼育
ワモンゴキブリなどの国産Periplaneta属は飼育が簡単である.
少数の採集個体から飼育を始めると,初めはゆっくり,F1が卵を産み始めると爆発的に増える.
そうすると餌と水の消費が増え,手間がかかりだす.
冬の温度管理だけ気をつければ飼育できる.
« リュウキュウモリゴキブリ | メイン | ワラジゴキブリ Trichoblatta sp. »
ワモンゴキブリなどの国産Periplaneta属は飼育が簡単である.
少数の採集個体から飼育を始めると,初めはゆっくり,F1が卵を産み始めると爆発的に増える.
そうすると餌と水の消費が増え,手間がかかりだす.
冬の温度管理だけ気をつければ飼育できる.
産卵の仕方にも個性がある.
普通は,このように周りの素材を唾液と混ぜてカムフラージュを行なう.
が,毎回容器内に固定もせずに転がし産みする個体もある.
もっと激しいのは,卵鞘無し.
しかし,これは未交尾雌なので致し方ない.
生み始め.
まだ形になっていない.
卵鞘は,体内で作られ外部に出てくるのではなく,腹端から外部に出る直前で形成されながら出てくる.
ワモンらしくないワモンゴキブリ.
前胸背の黄紋も少ない.

翅もブラベルスのような広がり方をしている.
ワモン卵鞘続きです.
今度は極端に上方にせり上がった卵鞘.
普通は傾いていてもこの位.
大型で成虫になるまで時間のかかる種も,増えたら当然ケージは汚れる.
死骸と生体,卵鞘が混在している.
水容器も汚れがひどい.
ガーゼを齧るのでもう少し放置すると,ガーゼが落ちる.
落ちると蓋のヘリを齧りだすので,「ぺチン,パチン」といった不気味な音を出し始める.
逆にその音がすると,「水無いな」と分かるしだい.
交換後.
だいぶすっきりしましたが,一月もすると元の状態に戻る.
日帰りで母島に行ってきました.
ははじま丸.
父島と母島は約50km離れており,2時間ちょっとで連絡している.
オガサワラゴキブリを探したのだが,母島の土壌は赤土の石のようなもので出来ており,いくら探してもいない!
あちこち探し,1時間ほどかけて5,6匹やっと見つけた.
父島で1時間もかければ数え切れないほど取れるのだが.
ポイントが悪かった可能性もあるが,まあ取れたので○.
本種は山の中より人工的に人の手が入った場所が多く見られる.
オガサワラゴキブリよりも沢山出てきたコワモンゴキブリ幼虫.
同数出てきたワモンゴキブリ幼虫.
母島の日帰り滞在時間は約4時間.
出向時間までの数十分港周り探すと,オガサワラトカゲガが沢山いました.
父島ではあまり見ることが出来ないが,ここは街中にて沢山見ること
ワモンゴキブリの産卵は,腹端に卵鞘が見え始めて約1日以内に終了する.
この卵鞘は生み出して3日目??
表面が白くなっている.
どうもカビのように思える.
これはダメかと思ったが,翌日見ると普通に産卵されていた.
単為生殖個体の産卵は異常卵を多産する.

拡大.
この後大概は食べられ,跡形もなくなる.
ワモンがごそごそ気になる動きをしていた.
逆側より.
やはり卵鞘を貼り付けている.
今回は,周りの素材を練り込まず,唾液のようなものだけで付着させている.

拡大.
透明な液体が卵鞘を包んでいる.
昨晩,ネズミの実験で都内ビル地下深くに潜っていたのだが,
機械室内でワモン発見.
ネズミどころではありません.
最近,深夜作業は翌朝こたえるのでなるべく速く終わろうと思うのだが.
こういった者が出てくると時間を忘れてしまう.

終齢幼虫であろう.
近辺を探したら,排水枡内で複数発見.
合計幼虫6匹の捕獲.
ちゃんと雌雄いるので殖やせます.
ちなみにこの前ローチトラップから剥がしたワモンは,2日後に★となってしましました.
残念.
まあ,捕獲された場所は分かるので,暖かくなったら捕りに行きます.
営業所に研究用のネズミをもらいに行った.
営業所のゴミ箱は様々なトラップが落ちている.
今日はローチトラップにつかまったワモンゴキブリを発見.
まだ生きている.
しかも♀.
早速救出する事に.
幸い背面が粘着面に付着しているので,翅を切断すれば何とかなりそう.
まずは付着している箇所だけ切り離す.
こんな感じに.
なぜ背面が付いているのか回収した本人に聞いたら,ビル内を徘徊していたのでトラップを上から被せて捕獲したとの事.
やはり翅はどうにもならないので切断.
前胸背板はゆっくりはがす.
小麦粉をふりかけ粘着を無効にする.
洗って乾かして完成.
さて産卵してくれるだろうか.
ワモンゴキブリ Periplaneta americana (Linne)などのゴキブリ科のゴキブリは,
単為生殖することが知られている.
他にもトビイロゴキブリ,クロゴキブリ等が調べられている.
そんな神秘的な生殖を私も見てみたく,ワモンゴキブリは様々な飼育形態で飼育している.
そんな中1つのケースの個体が交尾していた.
見慣れたゴキブリだが,交尾は意外と見た記憶がないのに改めて驚いた.
ワモンゴキブリやチャバネゴキブリは,実験に使用する対象としての観察は行なうが,飼育段階での特別注意を払って観察はあまりしない.
そんな中,ふと見ると,脱皮したばかりの翅が縮んだ個体がいた.
当たり前の良く見る状態なのだが,今日は妙に感心してしまった.
ワモンらしい形態である.
白いゴキブリがいたらさぞかし綺麗であろう.
ワモンゴキブリの羽化写真です.
しかし,何かが違う.
下の写真を見ればすぐに判ってしまいますが.
もう一枚.
羽化に限らず,脱皮後の白ゴキブリは有名ですが,眼は普通黒いのです.
これはデュビアの幼虫.
全部白いのも不気味です.
普通のワモンゴキブリのようだが,どこが違うか判りますか?
正面から.

拡大.
昆虫のホワイトアイは,オオクワガタが有名である.
その他に,カブトムシ類などの大型甲虫で系統の確立が出来ているようである.
最近はレッドアイ“Red Eye”なども希少品扱いされているようだ.
甲虫類では何種類か固定できているようだが,
ゴキブリではワモンゴキブリだけが知られている.
ゴキブリのほうが発見しやすいと思うのだが,他の種で出たのは聞かない.
ホワイトアイではないが,変異タイプとして,
チャバネゴキブリの前胸背板の黒紋消失タイプは,
朝比奈先生が「日本産ゴキブリ類」の中でその出現を記載している.
次の機会に紹介したいと思う.
今回,一航海の出張であったが,
今回も,小笠原に生息するさまざまな生き物に会うことが出来た.
移動途中に長崎展望台より長崎を見下ろす.
天気は良かったが,山の方は霧が立ち込め,
風が強い日が多かった.
今回も野外にビントラップとコップトラップを設置.
やはり捕まるのはワモン・コワモンが多い.
コワモン幼虫.
コップトラップ.
コワモンゴキブリ,ワモンゴキブリ.
コップはネズミが多い地域に仕掛けると,中の餌をネズミに狙われ,
ひっくり返されあまり捕獲できなかった.
確実に捕獲したいのであれば,ビンを使ったほうが良い.
また,今回雨はほとんど降らなかった為,入水は無かったが,
屋外に設置する場合は,雨対策が必須である.
毎回,1~2回,交尾を見ることが出来る.
上が♀,下の大きいほうが♂.
講習会の資料を作るのにゴキブリ科の写真を撮った.
その際使用した個体をまとめて記念撮影をした.
皆さん名前わかりますか?
左から時計回りに
ワモンゴキブリ ♂
トビイロゴキブリ ♂
コワモンゴキブリ ♀
コワモンゴキブリ ♂
トビイロゴキブリ ♀
こうなると怪獣大集合のようで結構さまになると思いませんか.
石垣島に行った友達よりお土産を頂いた.
ワモンゴキブリは全て雄であった為,標本とさせていただいた.
その中にコワモン幼虫も1匹いたので,こちらもありがたく標本とした.
標本作成はどうしても面倒な作業という位置づけなのであるが,
ワモンゴキブリに限っては,全然苦痛でない事に気づいた.
なぜか考えてみると,
大きさが適当で,展足がし易くバランスが取りやすい.
前胸背板の模様が楽しい.
といくつか考え着いたが,
それ以外に何か世界的な害虫の帝王としての風格に引かれるのであろうか.
こうして見ると.すべて同じ場所で採集された個体であるが,
前胸背板の模様が皆違うのが判る.
左の個体.
黒紋が前胸背前側縁に到達し,後縁の黒紋の幅も厚い.
真ん中の個体.
中央の黒紋は前縁に到達せず,コワモン風.
人のよさそうなおじさんの顔に見える.
そして,右の個体.
真ん中よりも少し黒紋が小型になり,色のつき方も薄い.
ただし,この個体に関しては,よく見ると頭頂部が薄茶色をしているので,
もしかしたら,脱皮後のまだ色づいていない段階なのかもしれない.
ちなみに採集した場所は公園の中だったらしいが,
石垣島の公園といえばもう山の中と同じであろう.
オキナワチャバネゴキブリ等を採集してくれたK氏より,写真も頂いた.
それぞれその種の生活実態が映し出されていて参考になる.
街中のゴキブリ,ワモンゴキブリである.
ワモンゴキブリは東京でも結構見かけるが,
熱帯の沖縄でも街中で見かける事が多かったそうだ.

果実の様なものを食べるワモン.
♂ですかね.

最初卵鞘をカムフラージュしているのかと思いましたが,
大きすぎるので何か食べているのでしょう.
大きなおなかをしています.
もうすぐ卵を産むのでしょう.

廃屋で遊ぶワモンたち,

通常はこのような排水の暗渠などに多く潜んでいると思われます.
逃げ足が速く,すぐ障害物の中に隠れるので,
これだけいても,捕獲するとなると結構大変です.
また,夜に変な行動をとっていると,犯罪者か変人と思われてしまいます.
ワモンゴキブリの生息している場所は,内地でもここ小笠原でも,
マンホール内や排水マス内が多い.
屋外生息写真
飼育ケージ内の写真は沢山撮っているが,
自然生息のワイルド写真は逃げ足が速いので撮りづらい.
ちょっとうれしい写真である.
小笠原に興味のない方がいては退屈なシリーズかと思い,
ワモンゴキブリ♂の交尾行動を.
小笠原から帰ってきて,残務処理に追われていたある夜,
ゴキブリケージの中に騒がしい音がするものがあった.
何事かと確認するとワモンゴキブリケージ内で♂成虫が翅をばたつかせている.
しかも何匹も.

♀はシェルターの中に待避しているようで,♂の群れがむなしくバタバタしていた.
そのうち疲れたのかひっくりかえてしばらく起きあがれなくなる個体も現れる始末.
お疲れ様でした.
ワモンゴキブリが卵鞘を口にくわえ,うろうろしている個体を見つけたので観察した.
よく言われるトコの物に貼り付けようとしているところだと思われたが,気に入ったところが見つからないのか,私の視線が気になるのかいっこうに貼り付けない.
口からの分泌物を付けているところ.
ようやくどこかに,と思ったがやはりうろうろ.
最終的に餌の上に放棄したというか,貼り付けたというか・・・・.
翌日,確認したら食べられて卵鞘下側面だけ残っていた・・・・・.
本種が主に生息している環境は,小笠原では屋外や民家内に普通に見られるが,都市部であればビルの様なコンクリート建築物の地下部分.
さらに限定すると,排水升の暗渠や湧水槽,雨水層等のマンホール内亀裂内部や壁面に多い.以前九州のある地下メンテ用通路内に壁面にびっしり付いていたのはさすがにぞっとした.
いわば,人が入って行きにくい場所に隠れて生息している.
チャバネゴキブリの様に食事中に出てくればムキになって駆除しようとするだろうが,どちらかというとビルの暗部にひっそりと生息している為,誰も本気でお金をかけてまで駆除する必要性を感じていないと思われる.その為住家を見つけると大量にいるのでびっくりして殺虫剤を散布するのだが,また簡単に死ぬので,それで満足してまたしっばらく放っておくと大発生をしているのを発見してびっくりする.この繰り返しである.
駆除したければ,計画を立て,防除の効果判定を行い,しっかりと指数管理をすれば,コントロールは可能と思う.
ワモンゴキブリはどの様に卵鞘を保持しているか,観察してみた.

全体の2/3程を体外に突出させ残りの1/3を肛上板と肛下板でしっかりと挟み込んでいる.産下される前の卵鞘のなんと美しい事.卵鞘の外皮を通して中の卵の配置がわかるだろうか?
産下された卵鞘.シェルターに隠す様に産み付けられた状態.
この様な状態で産み付けられた卵鞘は孵化するが,次の写真の様にただ産み落とされた卵鞘は,食べられている事が多い.
イエゴキブリの時は,この様に産下されたものは,一つも孵化しなかった.
屋外種を採集してくると,時季にもよるが幼虫である事が多い.衛生害虫扱いされている種であれば,幼虫や卵鞘からでも種はわかるが,完全な屋外種となると成虫にしてみないとよく分からない種が多い.
ワモンゴキブリは,幼虫の形態は判明しているが,慣れないと何の種jかわかり難い.

初齢幼虫
終齢幼虫
ワモンゴキブリは雌雄がある(雌のみで繁殖をし雄が見つかっていない種もあるが).害虫として駆除される場合は,そんな事は全く関係ないかもしてないが,見分けは出来た方が気持ちよいのではないかと思い並べてみた.
左が♀,右が♂
背面から見た雌の特徴として,腹部が雄より太い,雄と比較すると前胸背板が広く,前翅が腹端を少し越える程度の長さである事がわかる.
もう少し,正確に見分けるには,腹部から見る事である.
左が♀,右が♂
殆どのゴキブリが腹部の見かけ上の腹節の数が雄と比較して,少ない方が雌となる.
こうしてみると,ワモンゴキブリもきれいに感じるが,生きている個体を捕まえようとすると,臭い分泌物を腹端部から出すのであまりハンドリングしたい種ではない.
朝比奈正二郎著『日本産ゴキブリ類』の各論のトップに記されているゴキブリ.
本種はゴキブリ科 ゴキブリ属 ワモンゴキブリ となる.
Periplneta americana (Linne)
全世界の熱帯域に分布し,以前エジプトに行った人より,ゴキブリ好きな私にとエジプトのゴキブリをあしらったブローチ??を頂いたのだが,中に入っていた種はワモンゴキブリだったのには驚いた.あんなものをおみやげにして,買う人は殆どいないと思うのだが,ちょっと探したが出てこないので,見つかったらお見せしたいと思う.
国内の分布は沖縄・小笠原では屋外にも普通に見られ,本州都市部の地下に生息分布を広げている.
東京でも地下街にはわりと普通種となりつつあり,アメ横などは夏の夜間路上を徘徊している個体をよく見る.
近年のトピックスとしては,ヒューストンミュージアムで以下のような案内を出した.
“Cash for Cockroaches
Healthy, live American Cockroaches needed for new Insect Wing.“
直訳すると,「new Insect Wingにて,生きのいいワモンゴキブリが必要となったので購入します.」のような内容.本文には25¢/1匹(1000匹締め切り)とあった.
はたして集まったのか興味はあるが,ちょっと大きなケージで飼育していればすぐに1000匹ぐらいには増えると思うのだが.
本種成虫は前胸背板の『ワモン』に様々なタイプがあり,典型的な紋が出るものから,トビイロゴキブリのように紋が消えかけるものまである.