海外のローチ管理状況 1事例
餌ローチとして有名なBlaberus discoidalis .
幼虫の状態で海外より入荷したものだが,なんと変わったものが出てきた.
幼虫が続々羽化してきたある日,「ギョ!」
Blaberus craniifer „ Black Wing“ ♂.
さらに「ギョ!」
Blaberus boliviensis (Princis, 1946) ♀.
はたしてハイブリッドなのか,混生飼育しているのか.
まだ幼虫が残っているので,今後何が出るか興味あるところである.
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餌ローチとして有名なBlaberus discoidalis .
幼虫の状態で海外より入荷したものだが,なんと変わったものが出てきた.
幼虫が続々羽化してきたある日,「ギョ!」
Blaberus craniifer „ Black Wing“ ♂.
さらに「ギョ!」
Blaberus boliviensis (Princis, 1946) ♀.
はたしてハイブリッドなのか,混生飼育しているのか.
まだ幼虫が残っているので,今後何が出るか興味あるところである.
これはBlaberus fusca の飼育ケース.
個体数が少ないうちは,増えてくるとうれしいが,知らぬ間にこのような状態となる.
シェルター内にひしめく幼虫.
クロゴキブリやヤマトゴキブリのような日本の屋外に生息している種は,
1年中温暖な環境化においても,その成長スピードは,
屋外の四季にあわせ遅くなる傾向にある.
しかし,チャバネゴキブリを筆頭に熱帯が故郷のゴキブリたちは,
温度と餌を与えておけば,成長は止まることなく,
増えだすとチャバネのごとくあっという間にケースが狭くなる.
それゆえ,他の生き物の餌としての価値があるのだと思うが,
これが屋外(建築物内)に逃げでもしたら,
死ぬことなく繁殖する可能性はかなり高いと思う.
現に,過去に北海道の建築物内で発見された記録が有り,
こんな巨大なゴキブリが室内にわんさかいたら,
ゴキブリ嫌いの人にしてみれば,冗談では済まされないであろう.
ゴキブリを愛玩用として飼育している人はそんな事はないと思うが,
くれぐれも,逃走には気をつけて飼育していただきたい.
今回紹介できなかった,もしくは,はっきりしなかった種,
Blaberus atropos
Blaberus craniifer
Blaberus giganteus
Blaberus parabolicus
Blaberus boliviensis
は,また判り次第ご紹介するとして,
本属の飼育に関しては,特に問題なくどんな環境でも,良く繁殖する.
中プラケを使用したBlaberus discoidalis の飼育ケース.
マットなど必要ないようで,初齢幼虫も沢山生まれてくる.
シェルターの中の様子.
この調子で過密な環境をそのままにしておくと,小型の個体が多くなるようである.
初齢に近い幼虫.

このサイズの比較はまた後日としたい.
こうして見てみると,一応4種全て違う種のようであるが,
フスカ・クラニファーはかなり近いように感じる.
マダゴキ類にも言われているが,ハイブリッドも多いような気がする.
一つ確かな事は,ここで紹介したクラニファーは「デスヘッド」ではないことであろう.
終齢に近い幼虫の前胸背.

写真上2種は良く似ている.
こちらクラニファー.
翅芽の色が明るい茶色をしている.
これは全ての個体に共通している.
フスカ.
全体的に濃い茶になる.
左よりfusca ,craniifer ,colloseus ,discoidalis である.
フスカと比較して上翅の黒化の度合いが,クラニファーの方が強い傾向にある.
そして,小型である.
コロセウスとディスコイダリスはコロセウスの方が前胸背黒紋が大きい傾向にある.
しかし,比較すると判ることであり,
1種しかいない場合は,幼虫で判断する方がやりやすいと思う.
♂前胸背板の比較.

こちらが♀.

♂ではあまり違いの出ない種も,♀は大きな違いが出る種もある.
終齢と思われる幼虫たちである.
特に個体間の違いは見られない.
前胸背はクワガタ♀成虫の頭胸部シルエットのような,暗褐色斑が入る.
フスカによく似ているが,翅芽に色がこちらの方が赤色が強い.
そしてこちらが初齢に近い幼虫.2から3齢と思われる.
Blaberus craniifer 40-55㎜ (Allpet Roaches引用)
分布:メキシコ・中央アメリカ・キーウエスト島・アメリカ全土
別名デスヘッド.
ブラベルス属の中でも最も人気が高い種ではないだろうか.
特徴は成虫の前胸背板にはっきり浮き出るドクロのような人面模様.
そして成虫の翅は黒色部が広いなど他のブラベルスと比較して,突出した特徴がある.
本種に関する情報は海外のサイトに詳しく出ているらしく,
(この辺の情報は語学堪能な我が社のS部員が調べてくれている)
それによると,
本種は他の種に比べ採集は困難である事.
ペットルートにはかなりの偽者が出回っている事.
と言うわけで,この個体たちは日本国内で“craniifer”として入手したが,
やはり違うようである.
しかし,同定できていないのでとりあえずBlaberus craniifer として紹介したいと思う.
右が♀.左が♂.
上翅の黒化が他種に比べ強いように見える.
雄の5匹平均体長は55.7㎜.最小52㎜.最大60㎜.
フスカを抜き最大の個体がでた.
本種も前胸背板の黒紋の様子を雌雄並べてみた.

上2匹が♂.
下2匹が♀.
雌の黒紋には黄褐色の小斑が入り,デスヘッドほどではないが,
人の顔状に見える模様が浮き上がる.
♂はその限りでない.
終齢と思われる幼虫たちである.
特に個体間の違いは見られない.
前胸背はクワガタ♀成虫の頭胸部シルエットのような,暗褐色斑が入る.
見方によるとドクロマークにも見える.
そしてこちらが初齢幼虫.
Blaberus fusca 55-78㎜(Allpet Roaches引用)
分布: 南アメリカ
Blaberus discoidalis に次ぐポピュラーな種.
本種に関しては,どこの海外のサイトを見ても,これらと同じであり,
この個体はフスカと考えて間違いないと思う.
右が♀.左が♂.
雄の5匹平均体長は56.1㎜.最小54.0㎜.最大57.5㎜.
体長に関しては総じて飼育環境により大型になる環境(密集して飼うと小さくなる)
で飼育できていないので,恐らく普通より小型になっている可能性がある.
増えれば増えるほど小型になってしまう.
本種も前胸背板の黒紋の様子を雌雄並べてみた.

上2匹が♂.
下2匹が♀.
本種は雌雄全てが黒紋が前胸背後縁に達する.
黒紋の前縁部分は山形となり,中央部に切れ込みが入っている.
上の左の個体は新成虫の為色彩が白っぽい.
雌の黒紋には黄褐色の小斑が入り,デスヘッドほどではないが,
人の顔状に見える模様が浮き上がる.
♂はその限りでない.
本種の幼虫はブラベルス属の中でも色彩が少し違う.
前胸背板の模様が明瞭に現れず,黒褐色の霧にに包まれたようである.
終齢とおぼしき個体を抽出.
本種も個体変異はあまり無さそうである.
そしてこちらが初齢幼虫.
Blaberus colloseus 体長50-75㎜(Allpet Roaches引用)
分布:西インド諸島・エクアドル,トリニダードを含む中央アメリカ・
上が♀.下が♂.
本個体はバルバドロス島ワイルド採集個体として入手した物である.
サイズは前種,Blaberus discoidalisより若干小さい.
Allpet Roachesに記載の大きさとは全くかけ離れている.
雄の5匹平均体長は46.0㎜.最小44.5㎜.最大47.5㎜.
本種も前種同様,前胸背板の黒紋が後縁に接しているか否かを確認した.
上2匹が♂.
下2匹が♀.

雌雄各5匹確認したが,
前胸背後縁に達する個体は♂4/5 ♀5/5
トータルすると9/10で9割の個体が達する.
♂に比べ,雌の黒紋が非常に発達しており,
この部分だけで雌雄の区別が可能である.
幼虫の特徴はやはり前胸背板の鬼の面のような模様.
齢別にやると簡単には出来ないので,終齢とおぼしき個体を抽出.
3個体見ても特に大きな個体変異は無さそうである.

そしてこちらが初齢幼虫.

Blaberus discoidalis 体長35-45㎜(Allpet Roaches引用)
分布:中央アメリカ・メキシコ
上が♂.下が♀.
ブラベルス属の中では,日本国内において最も多く流通している種と考えられる.
体長に関して♀の場合,保育嚢に卵鞘が収まってしまうと,
腹部が長くなり,様々な資料に掲載されている体長とズレが生じると考えられる.
したがって雄の体長を計測してみた.
暴れる成虫を捕まえると脚の棘が刺さりかなり痛い.
保持する場所により,腹部が伸び縮みするので正確には計りにくい.
計測方法を統一するため,透明プリンカップに1匹入れ,シャーレで蓋をし,
裏面よりノギスで腹端部までの長さを測った.
5匹平均の体長は48.5㎜.最小47㎜.最大49.5㎜.
他種との違いとして,前胸背板の黒紋が後縁に接しているか否かにより,
見分ける方法もあると聞くが,私の飼育している本種はいろいろいるようだ.
上2匹が♂.
下2匹が♀.

発現の割合は雌雄各5匹確認しましたが,
前胸背後縁に達する個体は♂2/5 ♀4/5
トータルすると6/10で6割の個体が達するが,4割は達しないという結果に.
というわけでもう少し見ていきます.

ゴキブリの中で,日本国内において餌やペットとして多く流通している種に,
ブラベルス属Genus Blaberusが上げられる.
その他にペットローチとしては,通称「フルーツゴキブリ」「マダゴキ」と言われる,
成虫になっても無翅の大型ゴキブリGenus Gromphadorhina.がある.
こちらはまた次の機会に紹介するとして,
ブラベルス属の違いについて少し比較してみた.
Allpet Roaches にはブラベルス属が7種類紹介されている.
海外のゴキサイトは大体どこもこのぐらいの種が書いてある.
アトロポス :Blaberus atropos
コロセウス :Blaberus colloseus
クラニファー :Blaberus craniifer
ディスコイダリス :Blaberus discoidalis
フスカ :Blaberus fusca
ギガンテウス :Blaberus giganteus
パラボリクス :Blaberus parabolicus これはペルーコレクションのdiscoidalisによく似た腹部の大部分が黒いタイプとの事で,ちょっとよく判らないのでパスします.
そうすると,大きく分けると6種程になるようである.
現在飼育しているのはこの内4種であるが,種名は入手した時に付いていたものをそのままとりあえず記す事とする.